教育・研究事業に関するお知らせ
前のページに戻る 戻る2023年11月06日
彬子女王殿下による特別講義(第6回)が行われました
本学人文科学研究科客員教授の彬子女王殿下による特別講義が10月19日、世田谷キャンパスのメイプルセンチュリーホール大教室で行われ、彬子女王殿下は、人文科学研究科および文学部の学生と教職員約200人に「三笠宮崇仁親王とその時代」と題してご講義をなさいました。
佐藤圭一学長はあいさつで、今年で6回目となるご講義に謝意を表した上で、古代オリエント学者であられた三笠宮崇仁親王と本学イラク古代文化研究所との学術交流について触れ、本ご講義に期待を寄せました。
ご講義では、彬子女王殿下が昨年12月に上梓された伝記『三笠宮崇仁親王』を紹介されたうえで、「童謡の宮様」として親しまれていた幼少期の崇仁親王が詠んだ歌や崇仁親王の誕生から三笠宮家創立までの日々を記録した「御側日誌」などを取り上げながら、崇仁親王のやんちゃな一面や真面目な性格が伺えるエピソードをユーモアを交えながら親しみを込めて紹介なさいました。
そして、強く日本と世界の平和を願っておられた崇仁親王が、その思いを体現し大きな功績を残したものとして、レクリエーションとの関わりをお話しなさいました。世界の人々が身分も貧富の差もなく一緒に楽しむことができるダンスは平和のシンボルとなり得ると考えられた崇仁親王は、日本レクリエーション協会の総裁に就任し、レクリエーションを広める活動に力を注がれました。彬子女王殿下は「崇仁親王殿下はレクリエーションを、純粋に余暇を楽しむものではなく、それを突き詰めて学ぶことで進むべき道をまっすぐ前に進ませてくれるエネルギー源として捉えておられた。戦争のない平和な世界をつくる責務として、国民のために何ができるかを真摯に考えておられた」と話されました。
また、崇仁親王の兄である秩父宮雍仁親王と高松宮宣仁親王も同じ意思を持ちスキー競技やラグビーの普及に尽力されたことを紹介なさいました。
10月にフランスで開催されたラグビーワールドカップを観戦された彬子女王殿下は、「世界で戦えるチームになったことを宮様方も喜んでおられるだろう」と話し、「皇族は国民が求めることをするのだという宮様方の意思を改めて胸に刻みながら公務に励みたい」と締めくくられました。
ご講義後の質疑応答で、同じ研究者として崇仁親王から影響を受けたエピソードを聞かれた彬子女王殿下は、「崇仁親王殿下は複数の資料から自分なりの考えを導き出すことの大切さを教えてくださった」とお話しになりました。さらに大学の卒業論文発表会で崇仁親王からの質問に答えられなかったのが研究者としての挫折の第一歩だったと話され、研究者としてのきっかけと自覚を与えてくれた崇仁親王がいかに大きな存在であったかを振り返られました。
彬子女王殿下は残りの時間を利用して、皇宮警察で警衛にあたる本学卒業生について紹介くださり、本学関係者にとって卒業生の活躍を知る機会となりました。
約1時間の講義と質疑応答を終えた彬子女王殿下は、現在の側衛官である本学卒業生からの警衛を受けながら、大きな拍手に見送られにこやかに教室を後にされました。
- ご講義をなさる彬子女王殿下
- 佐藤学長によるあいさつ
- 質疑応答の様子
- 学生の質問に時折笑みも
- 会場の様子
彬子女王殿下の関連記事
■彬子女王殿下による特別講義(アーカイブ)
https://www.kokushikan.ac.jp/education/news/details_16580.html
■彬子女王殿下に名誉博士学位を贈呈(2018年11月9日記事)
https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_12451.html
■彬子女王殿下、本学大学院人文科学研究科客員教授にご就任(2018年4月20日記事)
https://www.kokushikan.ac.jp/news/details_11634.html
■国士舘創立100周年記念式典・祝賀会を挙行しました(2017年11月22日記事)